集団主義・平等主義の世界とは「アンセム 」アイン・ランド(著) 佐々木 一郎(翻訳)
<概要>
アイン・ランド (著)「アンセム」(1937年)は、ディストピア小説です。
個人という概念が否定され、集団・平等主義が正しいという時代の物語です。
(「水源」と同時期に書いた作品です。)
登場人物が単数人称を使わない(例えば、「私」「彼」「彼女など」)ため
読み始めた時、?一人なのに 「我々」「彼ら」と書いてあり読み進めてしばらくは頭にクエッションマークがつきました。
集団主義・平等主義をシンプルに表現しており、非常に面白かったです。
個人主義の時代が集団主義・平等主義に取って代わられた都の物語。
そこで生まれた子供は、生まれてからすぐに親から離され、集団生活の館で育てられる。
適齢の年齢になると、生涯の職業を決定する「天職協議会」により職業を決めら
自由意思・平均より優れていること・劣ることは罪であると小さいころから教えられる。
主人公である<平等七の二五二一号>は「学識びと」の職を夢見ていたが
「何かをより好むという罪」の為に天職協議会により「街清めびと」の職を与えられる。
ある日、割り当てられた清掃場所で、廃トンネルの入口を見つける。
遠い昔の「語られざる時代の遺物」(個人の概念があったころの遺物)を発見し科学実験を行うようになる。
科学実験を続ける過程で、<平等七の二五二一号>は電気を再発見する。
そして廃墟から、銅線が入ったガラスの箱を見つけ電気を通すと、その箱は光を放つ。
彼はこの発見を、「学識びと世界協議会」に報告するが、このような発見は「世界協議会計画」や「蝋燭局」を
崩壊させる恐れがあるので、破壊するべきだと主張されガラスの箱を持って「都」から離れた「未知の森」に逃げ込む・・・。
翻訳解説も詳しく書かれていて、分かりやすかったです!
「1984年 」ジョージ オーウェル・「われら」エヴゲーニイ・ザミャーチン「華氏451度」レイ・ブラッドベリ等が好きな方にお勧めです。
次回は「水源」・「肩をすくめるアトラス」等も紹介したいと思います。
アイン・ランド
ロシア系アメリカ人の小説家、思想家、劇作家、映画脚本家
2つのベストセラー小説『水源』(The Fountainhead)および『肩をすくめるアトラス』(Atlas Shrugged)で知られる。
また自ら「オブジェクティビズム」と名付けた思想体系の創出者としても知られる。
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リーヴル・アンジュ